歯と噛み合わせの健康を考える

Y.Y

 我が迷走 ロック

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Y.Y    高知県 50代 男性  地方公務員

‘歯の噛み合わせ’の悪さが様々な症状を引き起こすことは知識として持っていましたが、
いざ我が身に起きた症状とそれとを結びつけるのに随分と遠回りをしてしまいました。

すべての事の起こりは、単なる頭痛でした。
今から七年ほど前のことです。
多くの場合そうであるように頭痛と悪寒があったため風邪だろうと自己診断をして、
内科医院で診察を受けることにしました。
定石どおり薬をもらい二、三日服薬をして、安静にして…と通常ならば
これで一件落着となるはずでしたが、そのときは様子が違っていました。
どういう訳か薬を服用している間はその頭痛は鳴りを潜めているのですが、
薬が切れると途端に痛みが襲ってくるのです。
風邪が充分に治りきってないのだろうと、
軽い気持ちで先の内科医院とは別の病院で診察を受けましたが、
診断は同じ「風邪でしょう」とのこと。
しかし結果は同じことで、さらに総合病院でも診てもらいましたが、
同じことの繰り返しでした。
むしろ頭痛は初めの頃よりもひどくなり、
顔を上下左右に動かすこともままならない状態になっていきました。
私の苦しむ様子に、妻もこの「風邪でしょう」との診断に疑問を持ちはじめ
内科以外の診察を勧めてきましたが、さほど医学の知識を持ち合わせていない私には
どの診療科目が適当なのか見当もつきませんでした。

後から思えば、ここで大きな判断ミスを犯してしまいました。

切羽詰った挙句、内科に代わる診療科目を探すのに電話帳をめくり、
見つけたのが脳神経外科でした。
MRIやCT検査などの結果、その脳神経外科で告げられた病名は「頚椎ヘルニヤ」でした。
診断は、
『頭痛の原因は、首のところの骨が神経を圧迫しているからでしょう。
手術しても完全に回復するかどうかわからないので、
当面は首の牽引などのリハビリをやってみましょう』とのこと。
それらしい病名がついたことで変な安心感が生まれ、
その医師の言葉に盲目的に従い、リハビリをはじめることになりました。
しかし週六回の通院にもかかわらず症状は改善されず、逆に頭痛に加えて
・ 首と肩周辺のコリ
・ 両腕を絶えず引っ張られているような感覚
・ 痛いのか痒いのかよくわからない、なんとも表現のしようがない肩関節の不快感
・ 握力の低下(最悪時は小学生程度(13kg)まで落ちてしまい、
缶ジュースのプルトップを開けることができなくなってしまいました)
などの症状が新たに現れてきました。

気がつけば、ここまで最初の受診から8ケ月がたっていました。
仕事はこの間休職扱いとなり、収入は激減し、
それどころかこのままでは失業すら覚悟をしなければならず、
精神的にも追い込まれ、些細なことで家族に当り散らすなど家庭崩壊の一歩手前でした。
追い込まれた私は一向に進まぬ治療に見切りをつけ、
「これでだめなら、治すことはあきらめよう」と思いながら、
もう一度病院巡りをすることにしました。
しかしどの病院でも付けられる病名は、ヘルニヤとか鎖骨狭窄症とか、
はては強度の五十肩とまで言われましたが、
どれも治療は筋肉弛緩剤の服用とリハビリの組み合わせだけで、
症状の改善はほとんど有りませんでした。

既に発病から十ケ月、診察を受けた病院が6件、鍼灸マサージが2件、
もはやこれまでと思ったときに、ふと口を大きく開けられないことに気がつきました。
もしかして、これまで悩まされてきた一連の症状の原因はこれではないか。
突然に‘歯の噛み合わせ’の悪さが、頭痛や肩コリを引き起こすという話を思い出しました。

藁をも掴む思いで‘歯の噛み合わせ’の専門医を探したところ、
広島で開業している山崎医院にたどり着きました。
山崎先生にこれまでの症状について説明し診察を受けたところ、
・ 口の開閉時に雑音が有る。
・ 顎がやや右にずれている。 ・・・ とのことでした。
歯列の悪さは自覚していましたが、顎の歪みを指摘されたのははじめてでした。
治療後休憩をとるようにとのことのためソファーでテレビを見ていましたが、
知らぬうちに半時間ほど寝てしまいました。
目を覚まし立ち上がったときには多少ふらつき感がありましたが、
あの悩まされつづけてきた頭痛が随分と軽くなっていました。
それだけではありません、首,肩周辺のコリも楽になり、なかでも驚いたのは、
それまでほとんど向きを変えることが出来なかった顔が、
上下左右にスムーズに動きだしたことです。
先生の説明によると、歯の噛み合わせを矯正することで首、肩周辺の筋肉の緊張を
取り除き、併せて体全体の血流が良くなるようにしたとのこと。
この感覚、この感動を文字で表現するのは難しいのですが、
あえて言うならば「新しい体を貰った。」といったところです。
驚きはまだ続きます。
歯の治療前の姿勢は、さながら類人猿のごとく背中は猫背のうえに顎を突き出し
絶えず顔を上に向けた格好でした。
それが治療から三ヶ月程たってから気がついたのですが、
背中が伸び、顔はまっすぐ前を向くようになっていました。
妻も5歳は若くなったと喜んでくれました。

現在は年に一、二度程度診察を受けるだけですっかり元の健康状態を取り戻し、
仕事も順調にこなす日々を過ごせていますが、苦しかったあの10ヶ月を思い出すと
なぜもっと早く歯のことに気が付かなかったのかと悔やまれます。
私の周辺の人たちには、「体調を崩したときは、ぜひ歯のかみ合わせ状態のチェックも
するように」と薦めています。

高位咬合(噛み合わせが高い)が加齢と共に、歯牙の磨り減りや歯周病などで
歯軸が変化したり脱落したりしてバランスが保たれるとここまでひどい筋肉痛は
出なかったのではないかと思われたケースでした。
このケースは前歯部の一部分がロック状態であったのでゆっくり時間をかけて
咬合の邪魔になっている部分を削り落として(削合といいます)
筋肉の緊張緩和を施していったケースです。
遠方なので最初の頃は来広する体力も無く大変な思いをしました。
現在も年2回は咬合調整をするようにしていますが中々実現できていません。
病状は本人のコメント通りです。
『歯の噛み合わせ』からくる不定愁訴は中々他人には理解してもらえません。
楽になって本当によかったですね。

                     穐田俊二

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