歯と噛み合わせの健康を考える

噛み合わせ治療とは

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噛み合わせ治療とは、咬合状態の維持を図るためになされるすべてを含める治療行為といえます。
治療を受ける側が発育途中の若年者なら、健やかな身体的精神的発育を十分に果たすことができるように。
成熟期にある人ならば咬合の維持・保全を図り、老齢者なら咬合の維持・崩壊防止を図るあらゆる治療を指します。

もし、噛み合わせが前後左右にズレている場合はこれを是正し、咬合不可能な歯、例えば八重歯のように咀嚼には一見無用な歯牙でも代替えの機能を付与することで顎関節の機能を修復したり、犬歯に関係する色々な筋肉の保全につとめたり、色々な事を考慮して臨まなければならないのが噛み合わせ治療だと考えています。
(歯列からはみ出して、上下咬み合わない歯でも、歯根があるということで歯列の緊張が保たれているのですから、不用意に抜去すると歯列の崩壊・噛み合わせの崩壊につながるおそれが出てきますので、抜歯に踏み切る場合は細心の注意が必要だと考えています)

・・・ 大前提として ・・・

  1. 噛み合わせがよいと肉体的・精神的にその人本来の姿が得られる事。
    見た目に歯並びが悪くても元気な人は大勢おられます。
    歯並びと噛み合わせは別個のものです。
    噛み合わせの治療が好奏すると不定愁訴などが改善してくるので、その人本来の健康度が向上してくるという多くの報告があります。
  2. 歯や歯ソーノーローに注目した場合、歯牙の喪失・位置異常・数の異常・形の変化。
    (虫歯・すり減り・欠ける・脱落)などは、自覚症状の有無は別にて必ず姿勢や身体全般に変化が生じるという事実。
    (歳を取ったら背丈は自然に縮むものです)
  3. 顎関節に注目すれば、反対咬合(受け口)や顎無し(鳥顔貌)などの場合以外は、介在する軟骨でできている関節円板を含めて正常とされる形態を復元させると、不定愁訴が改善し咬合の安定が実現する事が多く見られます。
    (反対咬合(受け口)や上顎前突などの場合は後で、まとめてお話しする予定です)
  4. 高齢者で天然歯牙が残存しているケースを診ると自然咬耗は認められるものの各々の歯牙が具備すべき条件を満たしている。
    歯牙はある条件を備えると80歳を超えてもびくともせずに働き続けます。
  5. 残存歯牙が多ければ多いほど姿勢のよく、元気な人が多いという事実。
  6. たとえ歯牙が喪失していても人工物(義歯や差し歯など)で充分代用が可能であること。
    この事実に希望があるのです。野生の動物は歯牙を壊すと死んでしまいます。

口腔および歯の変化

―― 下あごが右にずれて年単位での経過症例 ――

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  • アジア人によく見られるスクェア型の歯列
    右上の4番目の歯が外に曲がって[すれ違い咬合]となってきれいに噛めない
    (後に咬合痛・冷水痛さらには不眠・イライラなどの症状を発現することの大きな原因になった歯)

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  • 右上の奥歯の歯軸は外側に開き左側の奥歯は逆に内側に入り込んで下顎はさらに右方向にずれていく。
    低位咬合は上顎の前歯部の前傾にも影響を及ぼしている。

☆右にズレた時の顎関節の変化(いづれも側面観)

顎関節の正常像(左) 左の顎関節 右の顎関節
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様々な姿勢 ・・・ アゴに注目してください。

―― 側面b ――
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―― 側面c ―― ―― 側面d ――
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☆【様々な噛み合わせ】

人間はその体型からも色々な方がおられます。
顔面に注目するとその横顔を観察するだけでも歯並びや姿勢の特徴が予測されます。
さらに診査を進めて噛み合わせのズレが検出されるときは偽の顔・姿勢であることが明らかになることがあります。

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【噛み合わせのズレ】

下顎が上顎に対してねじれの位置に日常的・習慣的に納まって顎関節・靱帯などの適応許容範囲を超してしまうと疼痛・機能障害を来すことがあります。
少し捻れた状態でも場合によっては状態が悪化してしまうのです。
食べたりくいしばったりするときに働く筋肉の左右的な歪みは頭を支える筋肉に無理が出てバランスが崩れ、体がねじれてしまいます。
緊張した筋肉で作業をすると早くに疲れるし疲れがとれにくい。
体の動きに無理があると怪我しやすいですね。
【▲▲が痛いのでレントゲン撮ってもらっても骨には異常なしといわれた】
このような会話はよく耳にします。
西洋医学は体の歪みをほとんど治療の対象として見なしていません。

成人の顎位が右にズレた時の姿勢の変化

―― 成人の正常な姿勢正面観〈姿勢を見る時の簡単なポイント 〉―――

(正確な観察をするためには裸足で着衣はできるだけ薄い状態でリラックスして立っていただく)

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―― チェックポイント ――

  • 頭がまっすぐかどうか
  • 首の筋肉が均等かどうか(ネックレスがゆがんでないかどうか)
  • 肩の水平的なライン
  • 手の先の位置
  • ベルトの歪み
  • 完全に左右対称な姿勢は異常ですが、最近マスコミなどで【右肩が下がっているから右に傾いている】等と見た目で判断するような報道がありますが、惑わされないようにしてください。
    診断をつけるのにはもっと多くの資料や細心の注意が必要です。
    因みに、頸椎の彎曲も非常にバラツキが有り異常かどうかの診断は相当難しいです。

―― 成人の顎位が右にずれた時の姿勢の変化 ――

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  • 脊椎は心臓を避けて彎曲し腰椎と仙骨との接合部でズレを補正する。
  • 骨盤は軸足の方に体重をかけるため若干前後左右いずれかに回転する。
  • 右偏位では左足が長いので肩を水平に保つため骨盤が右に上がる。
    その上がった分、足を揃えて立つと右肩や右手が下がったようになる。
  • 両足を揃えて立つと右肩が下がり左腰から下に筋肉の緊張が出て右に倒れまいと無意識に姿勢が変わる。
    長い時間この姿勢を保つのは本人にはとても辛い。

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  • 軸足が右で重心を真ん中にする為に無意識に左足を外に出す姿勢を取る。
  • 足にかかる重心が前後的に不安定な場合は、左足を外に出しても立位は不安定になる為、なかなか不動の姿勢を取りにくく、絶えず足の位置を変えてフラフラするか、首やら背中を曲げで立とうとするので、あまり姿勢がきれいに見えない。
  • 軸足は各々右か左に分かれていて、怪我や脳梗塞などの場合を除外して一生変化しないようです。
  • 私共の統計では六割近くが右軸足です。つまりヒトは右に傾きやすいという事がいえると思います。
  • 身体が右や左に傾いても生理的なものなら本人も身体が傾いた結果感じる不定愁訴は訴えません。
    治療対象となるのは右でも左でも病的な歪みが観察されたときです。
―― 正面像 ―― ―― 側面 ――
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―― 正面像 ―― ―― 側面 ――
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  • 上の写真は、治療開始時のものです。(ご本人の了解はいただいています)
    お二人とも、治療が進むにつれ姿勢が変化してきました。
    そして姿勢の変化とともに体調がどの様に変わっていったのか・・・、
    それはまた後の機会に解説をしたいと思います。

顔面の拡大

―― 右に曲がっていた頃の私 ――
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眉の上がり方
左右の目の大きさ
鼻梁の右傾斜
鼻唇溝のくぼみ方

割り箸法

体の歪みを緩和し肉体的精神的にリラックスさせる優れた方法をご紹介します。

  1. まず硬い床や畳の上に大の字になります。
  2. クッキングタイマーで時間が測れるように準備します。(切り上げ時間を知るため)
  3. 軸足側(ボールを遠くに蹴る時に使う足の反対の方)に割り箸の太い方を向けて軽く口を開け割り箸を乗っけます。
    はじめは15分くらいから慣れてきたら徐々に30分くらいそのままで仰向けの状態でじっとしてみてください。
  4. 時間がきたら今度は箸を軽く咬んで体を起こします。
    手足がだるくなったりあちこちに汗が出ることがありますが熟睡した後のように気分がよくなります。
  5. まれに体の緊張がひどい場合は気分が悪くなったりすることがありますのでその時は早めに切り上げてください。
    毎日少しずつ時間を長くして続けてみてください。
  6. 慣れてきたら就寝するときも使ってみてください。
    割り箸の長さだと飲み込んだりしませんので安全です。
  7. 首が曲がらないよう厚めのタオルを枕代わりにしてください。
  8. 割り箸効果は10日ほどで自覚されるようになります。 是非お試しを!!
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重力に逆らって立つために、
頸椎、胸椎、腰椎は各々前後左右に湾曲し、
バランスをとる。

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 ・重力が平均にかかることで抗重力筋が休憩できる。
・下が硬いと自然なストレッチ効果がある。

* 噛み合わせをテーマにしたHPには必ず紹介されている自律健康法です。
* 基本はヨーガの[完全休息体位]という有名なポーズに市波治人氏が顎を
はずした状態をドッキングさせた素晴らしい健康法です。
* 私自身随分これで救われましたし現在も行っています。

【噛み合わせ治療】とは
――― まとめ ―――

  • 顎の上下の関係がずれると不定愁訴の原因になることがよくあります。
    諦めていた体の不都合が嘘のように消えたりする事を信じられますか?
    及ばずながらこのような実例を少しずつ紹介したいと考えています。
  • 顎の上下の関係は一本の歯牙の在りようでもずれる事があります。
    噛み合わせは口腔内全体の微妙なバランスの上に成り立ってます
    【一本の歯があなたの人生を狂わせる】これは先ほどご紹介しました市波治人氏
    が何十年も声を大にしておっしゃられている言葉です。けだし名言です。
    どうか一本一本の歯を大切にしてください。
    『身体髪膚これを父母に受く敢えて毀傷せざるは孝の始まりなり』
  • 顎のずれが原因で不定愁訴を訴えるひとの中には肉体はおろか精神的に痛手を感じている方がおられます。
    肉体と精神は分けて考える事はできませんが精神世界は他人にわかり得ない
    部分が多くいたわりの気持ちで臨んでもなかなか救いには成りがたいものです。
    せめて噛み合わせがずれると精神面までさいなまれることがあるということは知っておいていただきたいものです。
  • 顎の捻れは三次元的に起こるので《右のものを左に》という単純なものでは治りにくにものです。
    人には恒常性を保つ働き〈ホメオスターシス〉があり長年の癖は簡単には是正されません。
    日本建築では柱を構える時でも何年も寝かして乾燥させ木目をみて東西南北どこに使うかを決める作業をします。
    そうしないと木のひわりがきて家が傾くのを大工の棟梁は計算しているのです。
    焦ってはいけません。
  • 生体では左右非対称が当たり前なので歪みを全て悪だと思わないことです。
    靱帯は心臓が左にあって脊柱はその部分で彎曲します。
    その彎曲は腰で補正されます。左右非対称で正常なのです。
    ですから重力に逆らって二本足で直立し動き回るためには全体のバランスが大切なのです。

治療の手順
――― 概略 ―――

  • 患者さんの主訴をできるだけ詳しくお聞きします。
    緊急の場合には徐痛処置などは行います。
  • 噛み合わせのズレがあるかどうか診査します。
    歯型・レントゲン撮影・その他
  • 治療法の説明・体験・予後判定
  • 治療の実際
    むし歯・歯周炎の治療/予防歯科/歯列矯正
    ※便宜抜去をふくめた審美矯正は行っておりません。
    当院で行うのはのはあくまで機能矯正です。
  • 体調を診ながら調整
    体調の変化を必ずチェックしながら必要な処置をします。
    体温・血圧・顎関節の聴診などは毎回の必須項目です。
  • 安定期になっても年1~2回の微調整
    顎位、噛み合わせは微妙に変化していきます。

凡例
――― 右偏位症例の諸症状 ―――

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噛み合わせの不都合によって生じる痛みの分布図
右偏位の典型的な筋肉痛・関節部疼痛

上下の歯牙の噛み合わせがどれだけ狂っているかで症状の発現する部位も不都合の度合いもまちまちです。
また、ミクロン単位(1/100㍉)でずれていても本人の訴えが大げさだと判断してはいけません。
本人にしかわからない痛みが確かに存在しておりその窮状を訴えても周囲の人の理解が得られず長年にわたって難儀をされてるようなケースは珍しくないのです。

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