歯と噛み合わせの健康を考える

院長インタビュー

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穐田俊二 酒井伸雄

酒井伸雄
以前から歯の噛み合わせの大切さは何度も耳にしていて、いい歯科医院はないか探していました。
そんな時たまたま知り合いからすごい噛み合わせ治療をしている歯医者さんが広島におられると聞き、山﨑歯科に通うようになってもう二十年近くになります。
穐田先生はいつごろから噛み合わせ治療をされるようになったのですか。

穐田俊二
もともと何か人の役に立つ仕事がしたいという思いで歯科医師を志し、広島大学の歯学部を卒業し、三年間広島の大きな病院に勤め、その後ここ可部の地に山﨑歯科医院を開業しました。
開業して三年ほど経って、いくら治療をしても状態がよくならない患者さんに頭を悩まされている時、たまたま友人から噛み合わせ治療の技術を確立された市波治人先生の噂を聞き、東京まで見学に行ったんです。
そして85年から三年半、月一回の勉強会を受けに東京まで通い、全く初耳の咬合理論と技術を習得し、今も日々臨床の中で新たな噛み合わせの技術を研鑽しています。
ですから噛み合わせ治療をするようになってもう三十年以上ということになります。長いですね。

酒井
それと治療以前にまずみなさん疑問に持たれるのが、なぜ穐田先生が院長なのに山﨑歯科医院という名前なのかということなんですが。

穐田
山﨑というのは私の旧姓です。
妻は広島の県北の高宮町というところの出身で、妻の家は代々神主をしていました。
そこで妻と結婚した時点で将来的に穐田姓を名乗るという約束をしていて、2011年に私たち夫婦と息子の三人が穐田(あきた)という名字に変えました。

酒井
分かりました。
噛み合わせ治療のことについてですが。
噛み合わせ治療のすごさというのは知識としては分かっても、多くの人にとって治療を受けるまでには大きなハードルがあるようです。
それでもこれまで延べ百名近くの知り合いを山﨑歯科に紹介し、みなさん一様にそのすごい治療効果に驚いておられます。
そんな中で、特に関節に痛みを感じる方はすぐに効果が表れるように感じますが、それはどうしてでしょうか。

穐田
体のいろんな関節の痛みはあごの前後左右のズレから生じることが多く、それが体の軸の前後左右のズレ、またはねじれの原因となり、関節各部の痛みを発症させるようです。
なかなか原因をつかめない不定愁訴も同様で、この体の軸のズレを正すことで治ることがよくあります。
例えば膝の関節ひとつとってみても、曲げたり伸ばしたり、外転、内転、いろんな動きをしますね。
それらはすべてバランスの上に成り立っていて、ズレている方向に動かすのには抵抗がなくても、その反対側に動かそうとすると痛みが出てきます。
それを本来あるべき形にしてあげると痛みがなくなり、動きもスムーズになる、とそういう効果ですね。
よく関節の軟骨にはヒアルロン酸が・・・と言いますが、それ以前に関節のズレ、特にねじれがあると顎の関節円板、膝の半月板が部分的にすり減ったり靱帯がゆるみ、そこにまたさらに急激な運動をすると靱帯が切れたり傷付いたりといろんなことが起こります。

酒井
治療の前後に血圧を測っていただきますが、なぜ噛み合わせで血圧が大きく変化するのですか。

穐田
血圧は首の緊張に大きな影響を受けて、そこを調整することで血圧は変化します。
それと背柱起立筋という大きな筋肉あって正しい姿勢を保つ働きをしていますが、そこを正すことによって血液の流れはよくなり、頭に鬱血していた血液も滞らなくなります。
要するに首回りの筋肉を正すことで頭位(頭の位置)が安定し、姿勢もよくなり、頭への血流もよくなるということです。
そしてその頭位を最も安定させる効果的な手段が歯の噛み合わせであり顎関節なんです。
顎関節は目に見えないブラックボックスのようなもので、多くの歯科医師はそこをイメージで捉えているのですが、そこをしっかりとさせるためには目に見える歯が大切なんです。
歯を診て顎関節の状態を類推するというのは、訓練は要するものの、不可能なことではないんです。
そしてその顎関節の状態を調べるため、全身、足の先までの微妙な動きを診て判断しています。

酒井
以前ここで治療方法はないとされている筋無力症の女性の腕が動くようになり、とても感動されている場面を見たことがありますが、ああいったことも血流が改善されることによって起こるのでしょうか。

穐田
そうですね。脳の機能が回復したということだと思います。
他にもうつ病がよくなった人もおられますが、頭への血の巡りが悪いと気分的に落ち込んだり、何事もマイナス方向、悲観的にとるようになる傾向があります。
それが状態がよくなると、東洋医学で言うような陰が陽に反転するように明るく積極的になられます。
脳の血流は心身ともに極めて大きな影響がありますね。

酒井
山﨑歯科では患者さんの体の状態を、図と色でカルテに記しておられますが、赤は痛みのあるところ、青はしびれたところですね。

カルテ1_2

穐田
ええ、左のカルテの患者さんの場合は、左上7番のキャップ(仮歯)が取れたんですね。
左上7番がない時はかかと重心になるんですが、そこに新たなキャップを加えたことで、かかとから前側に重心位置が変わってきたんです。
そしてそれによって肩の痛みが緩和されてきたんです。

右側のカルテは違う患者さんですが、右タイプです。
体が右に傾いているんですが、そのままいくと倒れてしまいますので、左側に力を入れて緊張し、手にも血行不良が現れ、しびれてきているんです。
一般的に体が倒れていった反対側に症状がよく出ます。

酒井
よく分かりました。
こちらはどうでしょう。歯の噛み合わせの状態を示したカルテもありますね。

穐田
この二枚も違う患者さんのものですが、左側の患者さんはお尻を痛めて、そして背柱起立筋、首の筋、・・・これは左右差はないけれど、前後にズレがある場合にこういったことがよく現れます。
この方は後ろの方に体が傾いていますので、かかと重心になり、体の前の方に痛みが出やすくなります。

右のカルテは、左の2,3番の仮歯が必要なくなった方のものです。
最初奥歯が高い場合は必要であっても、奥歯を緩めてきたらいらなくなることもあるんです。
治療初期の段階で噛んでいないからといって固定式の歯を作ってしまうと症状が悪化するんです。
この方のように左下が噛めていないアンダーな状態になると、対角線にあたる反対側の6,7番の当たりがオーバーになり、そこから症状が出てきます。
この方の場合は親知らずが悪さをしていたので、そこを少し削ったということです。

今日もそういう感じで、きれいに噛めるようになって仮歯がいらなくなった患者さんが来られました。

酒井
歯の噛み合わせの関係は本当に微妙なものですが、その噛み合わせ治療と世間で言うところの矯正歯科治療とはどう違うのですか。

穐田
矯正歯科のほとんどは審美矯正で、八重歯を治すときにスぺ-ス不足解消のため大切な4番(第一小臼歯)を抜いたりして見た目を直すのが主な目的です。
その中には曲がった歯を元の状態に戻すというテクニックもありますが、その時にその歯が前後左右周りの歯とどの様な関係を保つのが理想かというのは、審美矯正で求めるのはほとんど不可能なんです。
そして最終的には補綴(ほてつ:歯を削って被せること)に頼らなければならない。
審美矯正では対象の歯の見た目だけを求めるので、歯並びがデコボコになったり、歯全体の機能を損なわれてしまうことが多いですね。

酒井
歯学、歯学教育に於ける『歯の機能のよさ』とはどういうことですか。
ただすべての上の歯と下の歯が当たっていればいいということですか。

穐田
歯の形態から見て、その歯が最も長く楽に使える場所というのがあって、それを僕らはBポイントと呼んでいます。
歯冠にはABCゾーンというのがあって、Aゾーンはほっぺた側、Cゾーンはその反対側、 その間のBゾーンのBポイントというのが楽に食べ物を噛めて歯が長持ちするので、そのBポイントをいかに追い求めるか、 またそこに歯がいかなかった場合どうすればいいのか、それを僕らは常に考えています。
以前90歳を超えた患者さんの残存している歯牙を診る機会があったのですが、B点ホウルドが上手く保たれているのに驚いたことがあります。
昨日も上の歯が痛いという患者さんが来られましたが、まずは上のBポイントを形態修正して作っておいて、下の歯を上のBポイントに形を変えて当てるんです。
すると痛みが止まるんです。
ですからそのBポイントに上下の歯がカッチリ合えばいいんですが、ほとんどの場合そうではないので、そのつじつま合わせを僕らがしています。

酒井
以前すごく驚いたのが、歯の痛みが「それは虫歯の痛みではなく歯の捻挫だ」と言われ、本当に噛み合わせの治療だけで治ってしまいましたが、あれには本当にビックリしました。

穐田
あれがBポイントの治療ですね。

酒井
ああいった技術はほとんどの歯科医師の方が学んでおられないですよね。

穐田
以前市波さんが、国立大学を含めた全国すべての大学の教授にアンケートをとって、4番のBポイントをどのように扱うか尋ねたところ、回答率はどのぐらいだったか分かりませんが、正解はゼロだったそうです。
そこで再度どういう咬合理論を教えてるか聞いてみたところ、ウチはこういう咬合器を使って指導していると、咬合器の名前で応えが返ってきたそうです。
けれど咬合器を着けて治療をするというのは、曲がった状態を曲がった状態のまま治療することになり、体はよくならないんです。
我々は模型を見ながら、こういったふうに狂ってるというのを診て、そこで治療顎位を考えて治療するので、普通のやり方とはまったく違うんです。
ですから彼らにとって噛み合わせの実践は個々の研修に任せ、その後患者さんの治療にあたる中で学んでいく、そういうのが大半の応えだったそうです。
広島大学の卒業生たちもみんなABC理論そのものを知りませんし、広大に限らずどこ大学もそうみたいです。

酒井
本当にいい治療をしてもらえるところはきわめて少ないんですね。

穐田
歯が長持ちする場所にあるのが最もいい状態と考えて治療していますが、なかなかそういった治療をしているところはないですね。
有名大学の権威ある教授にやってもらったものでも、噛み合わせ理論から見れば最高50点といったところです。

酒井
そういった理論が一般化されていないのですからしかたないですね。

穐田
先日も親知らずが変なところから生えてきている人がいて、その人のそこを少し緩めてあげたら、
「これで後二十年働ける!」
と喜んで帰って行かれましたよ。

酒井
歯の噛み合わせというのは、一本一本の歯が右手右足、左手左足といった具合に体の各所に関係しているんですか。

穐田
いいえ、一本だけではないんですが、特に親しく関係する歯はあります。
例えば脚だったら、股関節は同じ側の7番、膝は反対側の7番が関係する、そして足首はというと同じ側の7番です。
ところが足の指が反った状態に関係するのは奥歯全体なんです。
ですから複数支配なんですね。
こういったことを頭に入れて一本一本の状態を診ていって、どこが悪いからどうなったかを調べ、そうなると今度は噛み癖が大いに関係することが分かってきて、たいていはその噛み癖のある反対側が悪いということがありますね。
さっき言ったように、右の7番が悪い時に右の股関節が痛くなることがあるんですが、 その原因が、右脚が軸足の場合だったら左の6番とか7番が関係することがあるんで、その軸足をチェックしながら、他のいくつかのチェック項目と合わせて、僕の場合は最初は左から攻めていくことが多いんです。
なぜかというと軸足の右の方が関節が緩いから、最初に触ると咬合高径が下がってくるんです。
ですから同じように右の7番と左の7番を触るんだったら、軸足が右で左脚が痛い場合に、右をやってから左をやってもあまり効果が出ない、悪化することが多いんです。
まず左をやっといて、そして次に右を少し緩めるぐらいの方が効果があるんですね。
その加減が難しいんです。

酒井
それを三年半東京に行って学び、今も臨床経験の中から新たな技術を習得しておられるということですね。

穐田
ええ、毎日がそういった感じで三十年間やってきました。
毎回毎回いろんな発見がありますからね。

酒井
自分も周りの人の治療効果を見ていて、兵庫県の池邊さんは股関節脱臼で体を大きく揺すりながら歩いていたのが、毎回治療を受けるたびに楽に歩けるようになり、高齢の平岡先生は大きく開いていた股関節の具合がよくなり、河野さんも長年悩んでおられたO脚が完全に治ったりと、本当にすごいことですよね。

穐田
僕はもうあんまりすごいことだとは思わないんですがね・・・。
池邊さんでも股関節を治そうと思ってしたのではなく、あくまでも口の中を治したら股関節も治ったということで、おまけのようなものです。
最初から股関節を治そうと思ってしたら、それは本来の歯医者の治療からはかけ離れている気が僕はしています。

酒井
けれど確実に影響はでていますね。

穐田
たしかに頭の中には治してみようかなという野心はあるんですよ。
けれどその前にきちんと診断をして、ここが狂っているからあそこにきている、だからここをこう治すと効果が出るんじゃないかと考えてキャップを作ったり、その後体全体の様子を見ていけると思った時には固定式にしたりとしていくんですね。

酒井
股関節が脱臼したことによって姿勢がおかしくなり、歩き方が悪くなった。
その姿勢、歩き方を正していく治療をすることによって股関節の状態もよくなるということですね。

穐田
股関節を治すとなったらそれは整形外科の仕事でしょ。
いろいろやり方があってそれを批判するわけではないんですが、一般的にはその部分しか見ないからメスを入れるんですね。
そうするとあまり効果がでないんです。

酒井
最後に趣味のことについてお聞かせください。
奥さんは長年弓道をしておられますよね。

穐田
ええ、通算三十年やっていて、教士六段の免状を持っています。
僕なりに噛み合わせ治療して、体の軸のブレがなくなったと思っていますが、本人はどう思っているんでしょうか・・・。

酒井
穐田先生はジャズが好きでいらっしゃいますが、サックスは長年吹いておられるんですか。

穐田
最初は首に負担がかかりにくいストラップを考案した小村由美子さんに音楽の基礎を習い、彼女との付き合いは30年以上で今も習っています。
更に高知学芸高校の先輩の清水末寿(すえとし)さんにJAZZを教えていただいて、もう二十五年程になります。
そこでは年に二回発表会があり、それを目標にいつもいろんな曲に取り組んでいます。

清水末寿 穐田俊二 Lush Life jazz live 広島

体の状態を大きく左右する噛み合わせ治療はストレスも大きいのですが、好きなJAZZを診察室に流し、時折サックスを吹くことが自分にとって最高の気分転換になっているんです。

酒井
ありがとうございました。
これからも公私ともに充実した時を過ごし、たくさんの患者さんに健康の喜びをお与えください。

2016年3月 聴き手:酒井伸雄

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